ARTIST STATEMENT

 

人の意識の形は、どのように現れるのか.. と言う問いとともに

日本庭園などの人工的自然物をモチーフとして、その景色や空間のとらえ方、

また、その中で見え隠れする現実と虚構の狭間を描く事により、

人の意識の形を浮き出そうとしています。

そもそも日本庭園というのは、蓬莱島、枯山水、石庭、など、それらには極楽浄土や不老長寿など、よほど現実からかけ離れた思想を持って作られています。

自然を人の思うままにコントロールしながら美しさと理想を追い求め作られた世界は自然を借りもとした人そのものであると私は思います。

蛍光色を思わせるピンクやグリーン、イエローなど、一見ポップな色彩は、理想郷を再現した本来の自然とは異なる不気味さや不穏さ、

理想郷が決して手の届かない存在、また手を触れてはならない存在である事や、しかし時にユーモラスに描くのは、こんな世界を作った人に対してのちょっとした揶揄であったり、シンボリックな形は私達個人へのアイデンティティへの問いかけでもあります。


近年は、象徴としての日本人の山=富士山(蓬莱山)や山水画、

盆栽、石一つに宇宙観を見つける水石など、庭園以外の昔から日本人が接している自然鑑賞文化からも制作を広げています。